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2011年9月5日月曜日

狼と香辛料II 4 2/3



狼と香辛料II 4 2/3






バタン



何だ?
ありゃ?

おい・・・

ほら
あれが・・・



ぅ・・・



おい!
気をつけろって。



ギロ



ぅ・・・



失礼。



ぁ・・・
あぁ・・・






こんばんは。



・・・



そんなに警戒しないでください。
商売の話に来たんですから。



なら
なおの事
警戒しなければ。



ぁはははは。
お時間いただけますか?



どうぞ。

商売の話とおっしゃいましたよね?



えぇ。



一体何をたくらんでらっしゃるのですか?



率直に申しますと
黄鉄鉱を買っていただきたいのです。



ぇ?



黄鉄鉱を買っていただきたいのです。
現在の相場で
トレニー銀貨およそ500枚分の黄鉄鉱を。



ふ。
ご冗談を。



冗談ではありません。



ぅ!
私が黄鉄鉱の転売で儲けている事は
ご存知でしょ?
その私に黄鉄鉱を売るなんて
どういう事ですか?

借金さえ回収できれば
ホロさんの事はどうでもいい
という噂は本当なのですか?






ローエン商業組合を天より見守ってくださる
聖人ランバルド氏に誓って
遍歴の修道女ホロに
誠実な愛を申し込みます!



まるで勇敢な騎士じゃな。



しかし
こうなると直接相手の行動を監視するしか無いな。



陰険じゃな。






あなたは本当に騎士ですね。



ぇ?



いや
失礼。

むろん
どうでもいい
なんて思ってはいません。

ホロは私にとっても
大切な存在です。



だったらなぜ?



単純に黄鉄鉱をお売りしようと言う訳ではなく
信用売りをしたいのです。



ぁ?



つまりですね
現時点での相場で
トレニー銀貨500枚分の黄鉄鉱を
明日の夕刻にお売りしたいのです。



・・・
でしたら明日の夕刻にお声をかけていただければ?



いえ
代金は今
いただきたいのです。







今、私が先に銀貨500枚を受け取る。
そして明日の夕刻にお渡しする黄鉄鉱は
今の時点で500枚に相当する分
だと言う事です。



明日になって黄鉄鉱の値段が上がったとしても
今日の値段で評価した黄鉄鉱をいただける
と言う訳ですか?



さすがはアマーティーさん。
そのとおりです。



逆に明日
値下がりしても
高い分で評価した黄鉄鉱しかいただけない。



はい。



普通の売買と何処が違うのですか?
手元にあるものを売って
売った後に値上がりすれば後悔し
値下がりすれば安堵する。

そう考えれば別に・・・
ぁ!
いや、違う。



お分かりになりましたか?



そのやり方なら
仮に手元にお金が無くとも
商品が得られる。

そしてその後
どれだけ商品の値段が変わっても
払うのは最初の値段でいい。

だからその商品の価値が上がれば
それだけの利益になる。



そう
それが信用買いです。
だから実際に黄鉄鉱をお渡しする時に
仕入値段が下がっていれば
それだけ私が得をする。



ぁ・・・
いろいろな商売があるのですね。



ふ。
理解していただけましたか?



やっとわかりましたよ。
商売をしたいとおっしゃった意味が。

ロレンスさんから追加で
銀貨500枚分の黄鉄鉱を買ったとして
それが値上がりすれば私の儲けは大きくなりますが
値下がりすれば私には計り知れない損失が出る場合もありうる。
これはつまり・・・



そう。



ぇ?



あなたに決闘を申し込んでいるのです。
アマーティーさん。



ふ。
仮に明日の夕刻
黄鉄鉱の値が下がるとしても
その前に値上がりした時点で
私は証書を売ればいい。

クックックッ

コン

つまり私はいつでも勝負から降りられるのです。
少しの値上がりで私が目標を達成できてしまうのでは
あまりにロレンスさんの分が悪すぎるでしょ?

私は自分の利益のために
ロレンスさんが不利になるような取引は
受けたくない。



いいえ
そのくらいの分の悪さでちょうどいいのです。



ぇ?



ホロがアマーティーさんと交わした誓約書を
破り捨てる可能性がありますからね。



ぁ・・・
ん・・・



アマーティーさんは
私に銀貨1000枚もの借金を返しても
ホロが首を縦に振らないという危険と
背中合わせです。

この程度の分の悪さ
それに比べれば小さいものですよ。



随分と激しい喧嘩をなさったようじゃないですか?



コン



ホロは旅の途中
私の腕の中で3度泣きました。
そんな時はなかなか可愛いんですが
あいにくと意地っ張りでね。
本心と違う言動を取りたがることがあるのです。
つまり・・・



バン



受けましょう!
私は・・・
私は・・・
失礼ながら
ロレンスさんから全てを奪う結果になってしまっては
あまりにも酷だとそう思い
先ほどのように言いました。

しかし
ロレンスさんがそのようにおっしゃるのなら
受けてたちます。

そして
ロレンスさんの財産を全て奪ってさしあげます!



では
取引を受けていただけるのですね?



・・・
望むところです!






乾杯!



クックックッ
ぷはぁ



いいビールだ。



いい考えでも浮かんだか?



麦の買い付けは祭りが終わる頃に集中しなかったか?



するな。



そこでひとつ
噂を流してもらいたい。



危ない話はお断りだぞ。



お前が言えば危ない話かもしれないが
小僧が言うくらいなら
問題ないって事があるだろ?



ん?



俺が指示したら
ある場所でこう言って欲しいんだ。

そろそろ麦の値段が上がる頃かも。



ふはははは。

お前
噂で例の石の値段を下げようって腹か?



あぁ。
黄鉄鉱の売買に手を出している者の大半は
この町に何かを売りに来て
帰りに何かを買っていく者たちだ。

その帰りの荷として
最も多いのは麦。

買い付けが集中して
その麦の値段が上がると聞けば
小遣い程度に持っている黄鉄鉱なんか売り払い
本来の目的の品物を買いに走るだろう。
そうなれば黄鉄鉱は必然的に値段が下がっていく。



2011年8月9日火曜日

狼と香辛料II 4 1/3



狼と香辛料II 4 1/3


狼と浅知恵の末路。






そぉれ!

ははははは。






嫌じゃ・・・
もう一人は嫌じゃ・・・



ホロ・・・



そうじゃ思い出した。
わっちを愛する者が居るではないか。






とどのつまりじゃ。
あれは器に小さい商人でしか無かったという事じゃ。



そうですね。



ぬしはわっちの何じゃ?
いや
わっちはぬしの何じゃ?



ホロさんのような美しい女性の悲しみを
包み込んで癒してあげられないようでは
男として失格です。



ぬし様はやつと違って
何があってもわっちを守ってくれるんじゃろ?



もちろんです。
たとえ財産の全てを取り上げられようとも
私にはホロさんへの愛がある。
クラフト・ロレンスなどただの腰抜けです。



ぬし様・・・






馬鹿な!






ったく
言わんこっちゃない。
あれだけ自信満々だったやつが
なんてざまだ。



不測の事態が起きた。
まったくの想定外だ。



油断した
と言え。



ぇ?



正直にな。



そのとおりだ。



それで
何の相談だ?
金の無心ならお断りだぞ。



風向きが知りたい。



ん?



帆を張って船出しようにも
この町の今日明日の風向きは
よそ者の俺には読みきれん。



あきらめろ。



な・・・



勢いのついた馬を止められる者が居ないように
値段の上昇は早々止まらない。
売り待ちの木札に対して
買い待ちのほうは増える一方だ。
今日明日で値下がりするなんて気配は微塵も無い。

全知全能の神でも無けりゃ
風向きを変えるのは無理だ。



だったら神の真似をするまでだ。



ん?



予想がつくような値下がりじゃ
アマーティーが巻き込まれるとは思わえないしな。



お前
暴落を仕掛ける気か?



それしか無いだろ?



ぁ?



とにかく明日の日没までに
あいつが買いこんだ黄鉄鉱を
ただの石ころにしなきゃならないんだ。






あいつが読みを誤るような仕掛け・・・
暴落を起こすための仕掛け・・・
そんなものがあるのか?






わはははは!



見ろこれを。
ぉぉぉぉ・・・



これは気合を入れましたなぁ。



麦の行商から鞍替えか?



噂じゃぁ明日には倍になるらしい。



おい
本当か?



まず間違いない。
祭りだからと帆をたたんでいては
絶好の船出の機会を逃しますぞぉ。



こりゃぁ真面目に麦の買い付けなんぞ
している場合じゃ無いなぁ。



ははははは。






ん?



ぁ・・・



ぁ!



ぁ・・・



ぁ!



ん・・・

ん!



ぁ・・・
ロレンス様。



手紙?



つい今しがたでございますが
1通はお連れ様のご依頼で
私が代筆いたしました。



ぇ?



現金銀貨200枚
手持ちの黄鉄鉱銀貨300枚分
処分可能な財産、銀貨200枚分

これは!
アマーティーの財産!

これは・・・

これはアマーティーの字
ホロのやつ
またとんでもない契約を結ばせたんじゃ・・・

Holo

な!

ぁ・・・



あぁ・・・



今預けてある現金を出してくれ!



あぁ・・・



一切だ!



2011年8月8日月曜日

狼と香辛料II 3 感想



狼と香辛料II 3 感想



ホロさんからその身に降りかかった
苦難と処遇についてお聞きしました。
私はその身分と財産により
彼女の自由の羽を取り戻し
結婚を申し込みたいのです。

血判とナイフ
本気ですね。
借金が無くなったからと言って
ホロが旅の同伴をやめるとは限りませんが。



ホロに夢中になったアマーティー
しかし・・・
人の心はお金で買えるのだろうか?

確かにお金が無いと不幸・・・という側面もあるが
今のホロにもロレンスにも
二人が別れる理由が無い。
そして・・・
ホロの目的はヨイツへ帰ること。
アマーティーにそれができるだろうか?



アマーティーさん
金の調達にあてがあっての事だと思いますよ。

もっとも
あまり関心できる方法では無いようですが。
ロレンスさんだけ肩入れするのも
アマーティーさんに気の毒ですから
詳しい内容は言いません。
ただ早めにお耳には入れておきたかった。

なぜです?

どんな理由であれ
共に旅をしてくれる相手がいるのは
嬉しい事ですからねぇ。
それを奪われるのは
あまりに辛い。



バトスさんの言葉。
共に旅をしてくれる者が居ることは嬉しい事であり
それを奪われるのは辛い。

経験者ならではの重みのある言葉ですね。
おそらくバトスさんはそういう経験があるのでしょう。



この場でいくら恥を受けようとも
そんな契約は受け入れる事が出来ぬ。
どうじゃ?

確かにそれは男らしい事かもしれない。
だがそれが大人かどうかは別だ。

まぁ確かに言われたら嬉しいが
向こう見ずな若さに溢れすぎじゃな。
げっぷが出そうじゃ。

そう考えると良き雄である事と
よき大人であることは
相容れぬのかもしれぬ。

良き雄は子供じみておるし
良き大人は腑抜けておる。



若さゆえの過ち・・・
という言葉もあるし
結婚なども若いからこそ出来るのだろう
なんて思ってしまいます。

若い頃よいと思った相手
実らなかった恋もあるが
今思えば縁の無かったものはそれなりに仕方が無い。
もしくは選ばなくて正解。

でも今の結果が良かったのかと言えば・・・
微妙ですね。
まぁ分相応って事で・・・



宿に閉じ込めておいたら
本当に俺が借金で縛りつけてるみたいじゃないか。

とロレンス氏はおっしゃっていますが
事の真相は?

真相も何も
わっちは莫大な借金で縛られていんす。
この鎖はあまりに重く
逃げる事など出来るはずもない。

もしぬし様がはずしてくれるのなら
わっちは喜んで麦の粉で白くなりんす。

あっはははは。
アマーティーが参る訳だ。
縛られているのはロレンスのほうだな。



マルクは店を構え、女房をめとり
それなりの責任もある。
それを考えれば年齢とは別に
マルクのほうが大人だと感じますね。



で実際はどうなんだ?

答えがあっても容易に口にはできぬのが
世の中でありんす。

ぅ!

例えば
あの麦粉の純度とかな。

ぁ!
あのあのあの・・・

もしもわっちの借金が返済されたらどうするか
聞いてみたいじゃろ?

い・・・いや
滅相も無い。




年齢不詳の人を超えた存在であるホロ
当然といえば当然ですが
マルクはホロの言い返し方にたじたじ。

まぁこれを思えば両替商のワイズのように
遊びを知って居ればこその付き合いにもなるのでしょう。



自分の力だけで立ち向かってくるだろう。

まるで勇敢な騎士じゃな。

そうだな。

だからこそ魅力的な修道女に
のぼせちまったんだろうな。
町の女は俺たち同様
周りの評判を気にするし
横のつながりからはみ出たものには冷たい。
そんなのには耐えられなさそうだ。



横のつながりを大切にする社会では
そのつながりが切れた場に入るのは
かなりの苦労。
それを知れば知るほど人付き合いも難しくなるが
逆にそれを利用しての生き方もある。

アマーティーのように自分の力だけで・・・
というタイプでは
その伴侶になる人も同じタイプでないと
難しいか
それともアマーティーのほうが歩み寄らないと厳しい。
彼は今後どうするのだろうか?
気になります。



わっちに隠すことが他にあるのかや?

実は昨日
北のほうの伝説に詳しい人に
ヨイツの事を聞きに行ったんだ。
それがたまたま女性だった。

それなりに有益な情報が手に入った。
お前の話なんかも聞けて。

わっちの?!

あぁ。
レノスって町に言い伝えが残っていたんだ。

麦束尻尾のホロウと名づけ・・・

お前の事だろ?

わからぬが・・・

町の言い伝えにお前がどの方角から来たのかも
載っていた。




ロレンスはホロにまだ大切なことを隠している。
ロレンスは幼い日の昔話で
ヨイツは月を狩る熊に滅ぼされた
その話を聞かされて育ったらしい。
(台詞には出てきませんが断片的に幼い少年の姿の場面が・・・)



ぬしよ・・・
どうしよう・・・
わっちの帰る場所は
もうありんせん。



宿へ帰ればリアナさんからの手紙を読んだホロ。
そして故郷は滅ぼされたと知る。



あくまでも昔話だ。
誤った言い伝えも多い。

誤った・・・

あぁ。
支配者が変わった土地では
そういった昔話が
でっち上げられることもある。



ロレンス、完全に後手になりましたね。
しかし昔話にある地名。
その場所を探す旅。

ホロという存在があるからこそ
その地はかつてあったのだろうが
ホロが居なければロレンスは
御伽噺としか思わなかったでしょう。

しかし滅ぼされた。
ホロにどう伝えればよいか・・・
しかも非常にタイミングが悪く知らされる。

時代が時代だから
ヨイツの森は残っていると思うが・・・

でも、鉱山などで地形が変わっている
という可能性も・・・
現在だと自分が遊んだ山や川
全てが無くなっていた
なんて事も普通にあるのでどうなのだろうか?
今後というよりホロは無事帰れるのか非常に気になります。




そうじゃ
思い出した。
わっちを愛する者が居るではないか。
ぬしが慌てておらぬのも
銀貨1000枚ならば惜しくはないと
思っておるからじゃろ?

どうじゃ?!
何とか言ってみよ!



降って沸いたアマーティーの話。
さて2期は始まったばかりだから
ロレンスとホロの旅は続くのだろうけど
アマーティーとの話はどうなるのか?
ホロはこれからどうするのか?
非常に気になります。




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