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2009年4月15日水曜日

ツバサ・クロニクル 1 1/3




ツバサ・クロニクル 1 1/3


必然のデアイ





ただいま、父さん。



はい?



小狼(シャオラン)!



うわぁ!



お帰りなさい!
遺跡の発掘はどうだった?
怪我は?
熱とか出なかった?
ご飯ちゃんと食べてた?



あ・・・はい。
大丈夫でした。



敬語。



は・・・



敬語、やだって言った。



でも・・・姫・・・



さくら。



え・・・



名前、呼んでって言った。



あぁ・・・いや・・・うん・・・



さーくーら。



さ・・・さくら。



あ、ごめんなさい。
重いよね。



本当にお帰りなさい。
小狼。



ただいま。



今度はいつまでこっちに居られるの?



着替えを取りに帰っただけだから
夜には仕事に戻るよ。



そう・・・



明日からの発掘に備えていろいろ買い物があるんだ。
一緒に行かないか?



え・・・
わぁ・・・






さっきから何をそんなに気にして?
もしかして、また城を抜け出して?



だって私が小狼の所へ行くって言うと
兄様 ご機嫌ナナメになるんだもん。



王様は妹の事が心配なんだよ。



そうかな?
単なる意地悪みたいな気がするんだけど。



ぁ・・・
あ・・・



あー!
美味しそう!

小狼、今日のおやつはこれにしようよ!



良かったら持ってくかい?



え?
いいの?



ほかならぬ姫様が相手だからね!



姫様がおられるぞ!



姫様だって?



この国の人たちは
本当に姫の事が好きなんだなぁ。



姫様が居たぞ!



城の警備隊・・・



捕まったらお城に連れ戻されちゃう。
どうしよう?

え?



行くぞ。



あ・・・







はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・
はぁーー・・・



こんなに走ったの久しぶり・・・



おれもだよ。



うん。



あ・・・!



少しだけこのままでいさせて?










あの遺跡を発掘するのが
死んだ父さんの夢だった。



もう7年になるのね?
小狼がこの国に初めて来てから。



考古学者だった父さんは
この国の遺跡調査の許可を得るために
城に出向いたんだ。



あの時、初めて出会ったんだよね?
私たち。



父さんは発掘作業の途中で亡くなってしまったけど
幸せな人生だったって。
最後に父さん・・・
笑ってた。



小狼は私のお城に住む気は無い?



城に?
それはおかしいよ。



おかしくないもん。
だって小狼は私の幼なじみだもん。



王族でもない人間が
城で暮らすなんて出来ないよ。
それに、遺跡の発掘の仕事で
十分暮らしていけるし・・・



でも・・・
お仕事で、最近、会えないし・・・
淋しいよ。



ん?
ぁ・・・



小狼は淋しくない?



淋しいよ。
でも、遺跡の発掘はおれと父さんの・・・



わかってる。
大事な夢・・・
なんだよね。

わかってるけど・・・
でも・・・
やっぱり・・・
会いたくなるの。



ぁ・・・



あたし、夜寝るとき、いつも考えてる。
小狼、何してるかな?って。
私のこと、ちょっとでも考えてくれてるかな?って。



考えてるよ。

おれも・・・
考えてる。



あのね・・・
あたし・・・
小狼にね・・・
言いたい事が・・・あるの・・・

あたし・・・
小狼のこと・・・



ゴーン!



わぁ!



だ、大丈夫?



ちょっとびっくりしただけ。



ぁ・・・



鐘が鳴ったから戻らなきゃ。



送って行こうか?



ううん、大丈夫。



あ・・・



あの・・・
あのね・・・
さっき、言いたかったこと・・・
この次、会った時に言うね。

絶対言うから・・・
待っててね。



ぁ・・・



こんな気持ちになるのは良くないよね?
父さん。
いくら幼なじみだって
相手はこの国のお姫様なんだから。

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