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2010年4月16日金曜日

xxxHOLiC ドラマCD 「シミヌキ」4/5 CLAMP × 竜騎士07





xxxHOLiC ドラマCD 「シミヌキ」4/5 CLAMP × 竜騎士07  







話は聞いてたかしら?
パンダの縫いぐるみさん?



え・・・
え?!
今、縫いぐるみが動いたような・・・

うわぁ!
ぅぅぅ!!!
動いた!!!



名前を与えられたる物は
命を宿す。
動く事もあれば
しゃべる事もある。
特に人形はその力が強い。
驚くことじゃないわ。



い・・・いや
普通
驚きますよ。

凄いな・・・
まるで生きているみたいだ。



ぉ・・・
ぅぐ・・・
立てない・・・
怖い・・・



無理しなくていいわ。
楽な姿勢になさい。

こんにちは。
ぬいぐるみさん。
あなたに与えられた名前を教えて頂戴。



さゆりさんは
ぼくのことを
パンダさんと呼んでくれました。



まさにそのままね。
でも
それがあなたに与えられた尊い名前なら
それでいい。

パンダさん。
今のあたしの話は聞いていた?



はい。
聞いてました。



あなたたち縫いぐるみは
生まれたときから
人の気をよく吸い込むように出来ているの。
そしてあなたは
たくさんの邪気をその身に吸い取ったわ。
あなたの本来の役目を
全てまっとうしたの。



ぼくは
さゆりさんのところへは
かえれないのでしょうか?



帰れば
あなたはその身に浸み込んだ邪気で
さゆりちゃんを再び病気にしてしまうわ。
今度は病気では済まないかもしれない。
あなたはそれを望むの?



ぼくは
さゆりさんと
いっしょにいたいです。
でも
いっしょにいると
めいわくをかけるのですか?



えぇ。
ただ彼女を取り巻く人々にとっては迷惑だろうけれど
当の彼女はそうとは思わないでしょう。

あなたも
そして彼女も
お互いが会いたいと思えば。
その結果の運命を対価として支払えるのならば
何も気にすることは無い。



ぼくは
さゆりさんといっしょにいると
しあわせです。
でも
ぼくといっしょにいて
びょうきがひどくなってしまうなら
ぼくはかえってはいけない。



それを帰れるように
侑子さんが何とかしてくれるよ。
彼女はたちの悪い押し売りみたいな人だけど
支払った対価に見合う仕事は必ずしてくれる。

侑子さん
このパンダが支払いをすれば
さゆりちゃんの所へ帰れるようにしてくれるんですよね?



対価をこの子が支払いさえすればね。



それをしはらえば
ぼくは
さゆりさんのところへ
かえれますか?



えぇ。
ただ安くは無いわ。
覚悟が必要よ。
その覚悟はある?



さゆりさんのところへ
かえりたいです。



侑子さん。
その対価というのは何ですか?



この子に染み付いた邪気を
全て火にくべて焼き捨てる事よ。
綿も布地も全て。



な!
それじゃぁ
何も残らないじゃないですか!
何の意味も無い!



綿も布地もたっぷりと邪気を吸い取って
膨れ上がっている。
それらを全て焼いて浄化すれば
さゆりちゃんの元へ帰れるわ。
あなたに求める支払いは
それを受け入れる覚悟なのよ。



ぼく
やかれないと
いけませんか?



ちょっと
ちょっと待ってくださいよ!
そんなのおかしい!

侑子さんが
さゆりちゃんの所へ帰れるようにする
というネガイを叶えるんじゃないんですか?



えぇ。
『帰れるようにする』
を叶えるのよ。

焼けば灰や想いが残るでしょ?
残ったものは火で浄化されているから
さゆりちゃんの所へ帰っても大丈夫よ。



そういう意味なんですか?!
そんなのおかしい!
本末転倒だ!
焼かなければならない所を
何とか出来るのが侑子さんでしょ?

その侑子さんが焼くしか無いなんて・・・
どうしてそんな事
言うんですか?



これはヒトガタとして生まれた縫いぐるみの
果たすべき宿命なの。
この子がたくさんの邪気を
身に引き受けたおかげで
その分、誰かを蝕んだかもしれない邪気は
祓われた。

この子はこれだけの膨大な邪気を
人の世から引き受けたの。
それは十分すぎる働きよ。



ぼくは
そういう もくてきのために
うまれてきたのですか?
ぼくは
だれかにあいしてもらうために
うまれてきたのだと
しんじてました。



そうね。
あなたを縫った人も
保育園に送った人も
誰かに愛してもらいたくて
あなたを生み出したんだと思う。
それは間違ってないわ。

でもね
あなたに何を期待するかは
周りの人が決めるの。
あなたは不気味だから
触れればきっと災いがあるからと
期待する。

周りの大勢の人たちが
あなたをそういう役割にしたの。



何ですか?
それ。
さっぱり意味がわからない!



四月一日。
その保育園では
この縫いぐるみは呪われている
と言われていたんでしょ?

それはつまり
触れれば呪われる
という事だけど
触れなければ呪われない
というまじないでもあるの。

その縫いぐるみに触れなかったから
自分は呪われない
という儀式。

人は穢れを具現化し
それを忌み嫌い避ける事によって
穢れを避け禊ぐの。

この縫いぐるみは
かかわる人を不幸にしたかもしれないけど
その代わり
この縫いぐるみを忌避する事で
呪われないという心の安定を
子どもたちに与えたわ。

それはつまり子どもたちの邪気を
その身でずぅっと吸い取り続けていたという事。
この子の中に貯まりに貯まった邪気は
本来ならその保育園全体の邪気だったはずなのよ。

誰かが転んで怪我をしたかもしれない。
誰かが風邪を引いて寝込んだかもしれない。
それをこの子が全て
その身で引き受けてくれた。

この子のおかげで
他の邪気や祟り、呪いが
保育園から祓われていたのよ。



では ぼくは
ほいくえんのみんなに
こわがられていましたが
すこしはやくに
たっていたのですね。
よかったぁ。



えぇ。
それはあたしが保障するわ。
あなたはその身に全ての邪気を引き受けていた。
だからみんながひく筈だった
風邪や怪我
不幸や不和などから
みんなをずぅっと守っていた。

あなたの身体に染み付いている
その膨大な邪気は
まさにあなたが
どれほどの子どもたちを守ってきたかを示す
証なのよ。

それが貯まりに貯まって
その身に引き受けきれなくなって
それがあふれ出し
さゆりちゃんを不幸にしてしまった。



ぼくは
だれにもあいしてもらえなくて
さびしかったです。
みんなに
のろいのぬいぐるみ
だといわれて
きらわれていました。

さみしかったです。

そんななか
さゆりさんだけが
ぼくにやさしくしてくれました。
かのじょといっしょに いるときだけが
ぼくにとって
しあわせなときでした。



そうでしょうね。
もともとあなたは・・・

いいえ。
この世に生を受けしものは誰でもよ。

あたしたちは
誰かに愛してもらうために
生まれてきたのだから。



訳がわからない。
他にも縫いぐるみはたくさんあったはずです。
なのになんでこの縫いぐるみだけが
邪気を吸い取るとか
嫌われるとか
そんな目に遭うことになったんです?



さっきも言ったわ。
周りがその役目をこの子に押し付けたからよ。



周りって誰が?!
保育園の子どもたちが・・・
って言うんですか?!



そうよ。
この縫いぐるみは何となく汚れたの。
その汚れがたまたま目立った。
汚れていれば忌避したくなる。
押し付けたくなる。
その想いが連鎖して募って
この縫いぐるみを嫌われ者に仕立て上げていった。



汚れただけで・・・
そんな貧乏くじを引かされるんですか?!
ちょっと汚れが目立ったからって言って
みんなから嫌われ
呪われているとか
邪気を吸い取るとか
そんな役目を押し付けられなくちゃならないんですか?!



それが人間の理よ。
最も劣るものを見つけ出し
みんなで仲良く叩いてしか
和をとりもてないの。
だから必要なのよ。
呪われた存在が。



くぅぅ。
なんどかほいくしさんも
せんたくをしてくれたんです。
でも
どうしてもこのしみが
おちなくて。
くぅぅ。



こんなシミ一つのせいで
嫌われ者になるんですか?
呪いの縫いぐるみなんて呼ばれて
こんなにも邪気を吸わされなくちゃ
いけないんですか?
こんなの理不尽だ!



そうね。
理不尽?
だから同情はしない。
その役目をまっとうした事を
ねぎらうの。

だからあなたは誇っていい。
その身に背負った重みの分だけ
誰かの幸せを守れたと
誇っていいわ。



ぼくが
だれかをしあわせに
できていたなら
とてもうれしいです。

ぼくは
のろわれていると
ずっといわれてきました。

ひとをふこうにしか
できないと
ずっとおもってきました。
だからとてもうれしい。



あなたはどうしたい?



さゆりさんのところへ
かえりたいです。
でも
かのじょを
ふこうにしてしまうなら
ぼくはかえってはいけない。



私になら
あなたの邪気を祓って
彼女のところに帰れるように出来るわ。



ぼくがやかれても
かのじょのところへ
かえれるのですか?



えぇ。
彼女は必ず
あなたとずぅっと一緒にいてくれるわ。

そして、もう誰も
あなたに不幸を押し付けない。



さゆりさんと
いっしょにいるために
わるいものをおとせるなら
ぼくは
やかれてもいいです。



対価を支払う事に
同意するのね?



はい。
おねがいします。



本当にそれで良いのかよ!
燃やされたら灰になって
後には何も残らないんだぞ!



四月一日!
これは
あたしとこの子との話よ。



おれは納得できません。
こいつが何か悪い事をしたわけじゃない。
なのに勝手におかしなモノを
周囲から押し付けられて
不吉の象徴みたいにされて
そんな理不尽がどうしてまかり通るんですか?



納得しなくていいわ。
そんな理不尽を許せない怒りを
忘れないようになさい。

その気持ちだけが
邪気を祓う事ができるのだから。



こんな貧乏くじを引かされて
最後には火にくべられる。
こいつは
こんな報われない最後のために
生まれてきたって言うんですか?



いいえ。
最後に報われたわよ。
みんなに嫌われて
玩具箱の片隅で
忘れ去られるはずだったあの子は
さゆりちゃんという子に出会えた。
短い時間ではあったけれど
たくさんの愛を貰えたんだもの。
ね?



はい。
さゆりさんと
いっしょにいられて
とてもうれしかったです。
だから また
さゆりさんのところへもどれるなら
どんなことでもがんばります。

あついのはいやだけど
がまんします。



それが対価だから。
でも
必ずあなたのネガイは叶えるわ。

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