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2010年5月27日木曜日

コードギアス 反逆のルルーシュ STAGE 0.515



コードギアス 反逆のルルーシュ STAGE 0.515


STAGE 0.515
「招かれざる 皇子」



コードギアス 反逆のルルーシュ STAGE 0.515





洗濯物。



枢木神社の端っこに
物置倉の前に
小さな洗濯物が干してある。

そこはついこの間まで
俺の場所だったのに
あいつが来たから・・・

あいつの洗濯物はひらひらしてて
まるで女の服みたいだ。
男のくせに
ブリタニア人ってのは
みんなこんな服を着てるのか?






どいてくれないか?






振り返ると後ろにあいつ
ブリタニアの王子
ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが立っていた。
一週間前からうちで暮らす事になった
招かれざる客。

そう父さんが言っていた。






ナナリーの分を干したいんだ。
早くしないと日がかげってしまう。



ん・・・



ここ、使ってはいけなかったかな?
それとも何か用事とか?



ある訳、無いだろ!
お前に用なんて!
俺は忙しいんだ!

そうだよ。
お前は人質で俺は枢木家の跡取りなんだから。
本当なら口をきくのだって・・・






うわぁ・・・



どうした!?
スザク君。
集中が切れたぞ。



ぇ・・・
すみません。
藤堂先生。






そうだった。
俺は藤堂先生のところに稽古に来てるんだった。
先生は軍隊の仕事を抜けて
わざわざ教えに来てくれてるんだから
しっかりやらないと。






今日はこれで4回目だぞ。
ブリタニアの王子かい?
気になっているのは。



べつに。
あんな弱っちいの。



はん。
もう喧嘩したのか。
たしかきみとは同い年だったね。
いい友達になれるといいな。



まさか。
あんな恩知らず!



え?



父さんがせっかくつけたお手伝いさんを
全部、断っちゃったんだ。
食事だってちゃんと作ってやってるのに
一口も手をつけなくて。



毒殺でも警戒してるのか?



父さんはそんなセコイ手は使わないよ。
ブリキ共じゃあるまいし。
やるなら正面から!



スザク君
私は軍人だが
出来れば戦いたくないと思っている。



どうして?!



藤堂先生ならブリキなんかに
負けないでしょ?



戦わないほうが楽だろ?
意外と怠け者なんだよ。
私は。



う~ん。






その日の藤堂先生は
何だか変だった。

そう言えば最近
父さんも東京に行きっぱなしだし
何かあったんだろうか?

俺はなんだか落ち着かない気分で稽古を終えて
その帰り道・・・

またルルーシュに会った。

いや、見た。

ふもとの町の少年たちに囲まれて
殴られているところを。






う・・・!
ここは日本なんだよ!

出て行けよ!
ブリキ野郎が!



ぅ・・・
うわ!






ルルーシュは
ただうずくまって耐えている。

弱いくせに町なんかに降りてくるからだ。






少しは反撃してみろよ!
おまえ
王子様なんだろ!



ぃ・・・

ぅ・・・






傍には父さんがつけたSPも居るのに
ただ見ているだけ。
どうして?






女かよ?!
お前は!



少しはやり返せよ!






俺は抵抗しないルルーシュに
何だか腹が立ってきて・・・






やめろ!






思わず飛び出していた。
俺が枢木家の子供だとわかると
少年たちはすぐに逃げていった。

この辺りで枢木の名前は絶対なんだ!






お前たち!
どうして助けなかった?
ボディガードだろ?






そう問い詰めたが
SPは何も応えない。
代わりに応えたのは・・・






見張りだから。



ぇ?!



彼らはボディガードじゃない。
僕が逃げ出したり
勝手に死んだりしないように監視する
ただの見張りなんだ。



そんな・・・!



きみはどうして助けた?!
僕はブリタニア人なのに。



ブリタニアは嫌いだ。
でも
弱い者いじめはもっと嫌いなんだ!



弱い者・・・か。
へっ。
そうだな。



何がおかしい?



別に。



嘘だ!
今、笑っただろ?



自分の事だよ、
笑ったのは。
自嘲ってやつ。



自嘲?



負け犬の笑いだよ。
そうやって心を守ってる。






ルルーシュが立ち上がった。
その下には野菜や魚の入った買い物籠。
こいつ、これを守って?






どいてくれないか?



ぁ?



きみは僕のポイントカードを踏んでる。
あと4ポイントで割引になるんだ。



あぁ。







ブリタニアの王子様が
俺の足跡がついた小さなカードを大事そうに拾い上げた。

ポイントカードだって?!
王子のくせに!

散らばったカードや小銭を拾う
ルルーシュの姿は最低にかっこ悪くて
いじましくて
でも・・・






弱っちいくせに町に降りるからだ!
意地を張らないで
うちの食事を食えよ!
毒なんて入れてないぞ!



知ってる。



なら食えよ!



僕は生きるんだ!
自分の力で生きる!
死人にはならない。
僕も、ナナリーも!






それだけ言うと
ルルーシュは片足を引きずりながら
歩き始めた。



生きる?!
当たり前じゃないか!
生きてるから
生きてるんだろ?
何言ってんだ?!
あいつ。



俺は何だかわからないけど
ものすごくむかついて
ものすごく熱くて
ものすごく恥ずかしかった。

その気持ちが何なのか
その時の俺には
まだわからなかった。

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