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2010年6月1日火曜日

コードギアス 反逆のルルーシュ STAGE 0.911



コードギアス 反逆のルルーシュ STAGE 0.911


STAGE 0.911
「ミレイ との 際会」



コードギアス 反逆のルルーシュ STAGE 0.884





あたしが初めてこの地を踏んだ時にも
同じ風を嗅いだ。

かつてニッポンと呼ばれたこのエリアは
春になると一面がほのかな甘い嵐に洗われる。

そう。
あの日もこの学び舎は
柔らかな陽に見守られ
舞い散る桜色のかけらたちの中に
その少年は立っていた。






ルルーシュだ。



聞いてるわ。
ランペルージ君ね。
あたし、ミレイ・アッシュフォード。
はじめまして。

今日はお爺様から学園を案内するようにって・・・



前置きはいい。
時間を有効に使いたい。






その新入生は
このアッシュフォード学園理事長であるあたしの祖父が
以前とてもお世話になった方の子供だと言う。
初対面。
しかも年上の女の子を前にして
懸命に大人びようとするその表情に
大丈夫。
優しく教えてあげるから。
なんて・・・

思えばその時のあたしはまだ
彼のことを何も知らなかった。






緊張しなくていいのよ。
学年、1個しか違わないから。



中等部?



そ。
2年。
高校生だと思った?

発育いいでしょ!
ほら、バストとか
腰から腿にかけてのラインなんかも。

あっは。
目そらさなくてもいいって。
見られて減るもんでも無いし。

うわぁ!

見えた?



減る物でも無いんだろ?



ぁ!
そうなんだけど・・・
そこまで平然とされるのも何だか・・・



案内するなら急いでくれないか?
早く戻りたいんだ。



ぁ・・・






この頃私は自分の事を
懐の広い女だと思っていた。






そ・・・
それじゃぁ・・・
おほん。

このアッシュフォード学園は・・・



創立経緯、生徒数、教師の数、敷地の総面積
概要データは自分で調べられる。
知りたいのは
校舎の配置と施設の詳細だ。



それは調べられないの?



その手の情報はテロの格好の資料になるから非公開。
ふ。
なんだ。
学園長の孫のくせに
そんな事も知らないのか?



ぁ・・・






私は懐の広い女になりたいと思っていた。






じゃぁ
まずはとっておきをご案内。
眺め最高の屋上から!



必要最低限の場所だけ教えてくれればいい。
後は通学すれば覚えられる。






へへへ・・・
懐が広くなくたって
立派に生きている人は大勢居る。






あなた
友達いないでしょ?



関係ない。



あっそう。
やっぱ居ないんだ。



ブリタニア人にはな。



ぇ?
何それ。



敷地は石畳。
所どころにギャップがあるな。
校舎への出入りは階段。
スロープと手すりも必要か?



はぁ。
じゃぁご希望通り手短に。
こっちの校舎が中等部と初等部で
向こうが高等部。

ファイト・オーの掛け声が聞こえれば体育館。
美味しそうな臭いをたどれば
そこが多分、食堂。
あと、学生寮はあのへん。
詳しい事は寮長さんにでも・・・



寮?



うん。
うちの学園は全寮制よ。
男子寮は左の建物。
ちなみに右が女子寮。



聞いてない!
そんな事!



パパやママと離れて暮らすのはいや?
だめよ。
このアッシュフォード学園は
自由と自立の精神を重んじる所なの。



女子寮に俺が出入りする事は?



男子禁制に決まってるでしょ?
男子寮に女子が入る事だって・・・
ぁ・・・
なんだ
クールぶってるけど
結局頭の中は思春期の妄想でいっぱいなのねぇ。



ちっ。



ちょっとどこ行くの?



もういい!



あ、ごめん。
もうからかわない。



この学校には入らない。



ちゃんと案内するから。



こんな学園には入学しないって
言ってるんだ。



入ること?
ちょっと待って!



お前のせいじゃない。
馬鹿だったのは
のこのこやって来た俺のほうだ!



待ちなさい!
どこのお偉い貴族の坊ちゃまか知らないけど
理由くらい教えてくれたって!



アッシュフォード氏から聞いているだろ!
知っているくせに!



わからないから教えてって言ってるの!



お前もそうなんだろ!



ぇ?!



お前たちまで
俺たちを・・・



俺たち?
ん・・・



お兄様!



ナナリー!



車椅子?



あぁ、良かった!
迷ってしまうかと思いました!



ナナリー。
すぐ帰るから
待ってろって言っただろ?



ごめんなさい。
でも、とってもいい香りがして
これ、桜が咲いているんですね!



あなた・・・



ぁ!
アッシュフォードの方ですか?
ナナリー・ランペルージです。
座ったままで失礼します。
脚と目が不自由なものですから。



あ!そう!
それで手すりとかって・・・



わかったろ?
ここでは駄目なんだ。
俺たちは。



お兄様?



ナナリー。
残念だけど、この学校は・・・



待った!
ぅん・・・
ほんとにもう・・・

大変ね。
ナナリーちゃんも。
こんな意地っ張りなお兄ちゃん持っちゃって。



え?!



なに!?



ちゃんと言ってくれればいいのに!
って言ってるの。
素直じゃないんだなぁ。



俺たちのことは・・・



ほっとかない!
ほっといてなんか
あげない!

うふ。
任せて。
あたしが何とかする。
約束する。
だから・・・
信じて。



お兄様?



う~ん・・・
もう、わかった。
じゃ、信じなくていい。



ぇ?!



あたしに・・・
賭けてみてよ。
損はさせないから。
絶対!



何を・・・



もしもあたしが負けたら・・・
そうね・・・
お金も、名誉も、地位もあげられないから・・・

この身体で返すわ。



ぇ?



決まり!
行こう!ナナリーちゃん。
車椅子、押してもいい?



ぁ!
はい。



向こうの庭園の所にクラブハウスがあるの。
お爺様に頼んでみる。
きっとそこなら二人で・・・



信じていいんだな?



なぁに?
聞こえなぁい。



ありがとう。



ううん。
こちらこそ。

ようこそ!
アッシュフォード学園へ。






あれからこの学び舎には
幾度か桜の風が舞って
彼の背丈もあたしを追い越した。

それでも可愛げなくって尊大で
そのくせ妹の事となると
おおわらわ。

少しも変わってない。
だから・・・
そう。
あたしは見逃さなかったのよ。

あなたがその言葉をくれた時
ちょっぴり頬を染めた事を。

でも、ルルーシュ。
あなたはきっと答えるんでしょうね。

暖かな春の日差しに
少しほてっただけだって。

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