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2010年11月27日土曜日

蒼穹のファフナー【ドラマCD】GONE-ARRIVE 1



蒼穹のファフナー【ドラマCD】GONE-ARRIVE 1



仲間、家族、味方
同じ故郷を持つ人々。
けれども多くが失われた。

島はもうかつての島ではなく
誰もかも果ての無い戦いの中に居た。






ここに居ない。
誰かの姿が見えない。
声を聞くことが出来ない。
もう二度と・・・
あえない。

それが・・・
居ないという事。
咲良が居ない。
衛が居ない。
総士が居ない。
道生が居ない。
多くの者たちが居ない。
皆、居なくなってしまった。

なのに・・・
私はまだ
ここに居る。

道生・・・
一騎も真矢も
戦う気でいる。
私自身も・・・

北極。
たとえ帰る当ての無い戦いでも
それ以外に・・・
もう何も残っていない。






土。
フェストゥムの身体と
同じもの。
みんなを・・・
総士を・・・
奪ったもの。



ガラガラ



一騎。



父さん。



ガラガラ



初めて・・・
だな。
お前が俺の仕事道具に触るのは。



うん。



父さん
Alvisにいるんじゃなかったの?



着替えを取りに来た。
それと・・・
お前の様子を見に来た。



うん。

ほら、まだ動くよ。
俺の身体。
咲良と同じになるまで
まだ時間がある。
父さん。



一騎
お前はもうファフナーには・・・



総士が言ってたんだ。
人類軍の作戦に参加するかもしれないって。



一騎・・・



父さん
父さんたちが作った
フェストゥムを倒すための武器は
多分思っている以上に
俺たちの全部になったよ。



ぁ・・・
馬鹿を言うな。
だから人類軍の無謀な決戦に
参加させろと言うのか?



だって・・・
それ以外もう無いだろ?



一騎!



父さんだって
母さん失った時は
同じ気持ちだったんだろ。



ぁ・・・



でも、父さんには
敵を倒す力が無かった。
俺にはある!
ファフナーがある!



違う。
一騎。
俺は・・・



あいつらを倒すために
俺を育てたんだろ!
父さん!



やめんか!
二度とその言葉を口にするな!
そもそもお前とマークザインを
決戦に投入して
どうやって島を守る?



遠見とカノンが居る。
それに
剣司も・・・
あいつらが島を守るさ。



なにを根拠に戦線から逃げた者まで
再びファフナーに乗ると?



剣司に何が残っているんだ?
咲良も衛も居ない。
あいつの母さんまで居なくなった。
今のあいつに
他に何があるんだよ?
そのうち自分から乗せてくれって言い出すさ。



何と言う
馬鹿なことを。



父さんだってわかるだろ?
わかってるはずだろ?
行かせてよ、父さん!
お願いだよ!

まだ身体が動くうちに
俺が咲良と同じになる前に!
俺一人で北極に行く!



やめろ。
一騎。



どんどん
身体が動かなくなってるんだ。
そのうち目も見えなくなる。
何も
考えられなくなる。

もうすぐ俺は
生きたまま違う何かになる。
俺が居なくなるんだよ。
父さん!



じきに遠見先生が
お前たちを助ける術を見つけ出す。
それまで・・・



間に合うもんか!
お願いだよ。
父さん。

俺が俺でいられるうちに
俺に戦わせてよ。
頼むよ!
行かせてよ!
俺一人で行かせてよ!



一騎・・・
俺は・・・



島の戦いを決める人だ。
父さんは
今のこの島で
俺たちに戦えと命令してくれる
たった一人の人だ!
そうだろ?
父さん。



そうだ。
一騎。
俺が
お前たちを送り出す。
戦いを望む者を全て。



父さん。



島の復旧がすむまで待て。
それから俺が
お前を北極に届ける準備をしてやる。



ぅぅぅ・・・
ありがとう。
父さん。



手の泥を洗え。
それ以上乾く前に。
そのままでは泥が落とせなくなる。



うん。






ヒュゥゥゥゥゥ



寂しい風。
この間まで島中に花が咲いていたのに。
樹も花も虫も死んだ後の
静かな風。



ザバーン



すごい波。
島の一部が無くなったせいだ。

島の周り中
あんなに波が騒いでる。
なのにあたしの周りだけ
平らな感じ。

あたし、知ってるんだ。
ファフナーに乗れば
自分から悲しさも寂しさも消えるって事。
翔子が居なくなった時も
そうだったのかな?
悲しさを消したくて。

あたしこんなにも
ファフナーに乗りたがっている。

ねぇ、お父さん。
お父さんも居なくなったんだよね?
お父さんはフェストゥムとどう違ったの?
あたしはフェストゥムとどう違うの?






パリン パリン



家中、滅茶苦茶だ。
俺の家、俺の部屋
台所、居間、食卓、風呂場
どこも俺の知らない場所みたいだ。

母ちゃんの部屋。
仕事道具が全部床に落ちてる。
母ちゃん、見たら怒るだろうな。
平和な場所。
安全であったかい場所。

結局俺には
それが一番大事な物だったんだ。
でも・・・
全部無くなっちまった。

なぁ、衛。
俺、どうしよう?
咲良
一緒に居てくれよ。
誰か
俺の傍に居てくれよ。

俺、もうどこにも居られねぇよ。






ガラガラ



初めてだ。
あいつがあんなふうに
俺に頼みごとをするのは。

ずっと幼い頃から
一度もあんなふうには・・・

許せ。
俺はあいつを
行けば二度と帰れぬ場所に
送り出す。

それ以外の道は
俺自身が持っていないのだ。
紅音。

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