楽天

2010年11月28日日曜日

蒼穹のファフナー【ドラマCD】GONE-ARRIVE 2



蒼穹のファフナー【ドラマCD】GONE-ARRIVE 2



希望を捜し求めて
みんながそれとは違うほうへ
歩んでいってしまう。

本当の答えは
まだ新しく目覚めたばかり。

早く・・・
早く来て。
島に帰ってきて。
でないと
このまま・・・






ジー ガチャン



カノン。
ごめん、遅くなって。



いや。
こっちこそつき合わせてしまって
すまない。

ノートゥングモデルに乗るためには
誰かと一緒に訓練を受けねばならないと聞いて。



謝る事無いよ。
あたしたちのファフナーは
お互いの心を知る事が大切だから。



心を・・・



さぁ、入ろう。
羽佐間先生が準備してくれてる。

ぁ・・・
中に入ったらお互いを探すって
聞いてる?



あぁ。
どうすればいいかわからないが
やってみる。



あたしも
何とかカノンを探してみる。



頼む。



ピ ガチャン






ピチャン
ヒュゥ



やっぱり・・・
変わっていない。
あたしの心。
霧ばっかりで誰も見えない。

平らな水。
その向こうに
あたしが映っている。



ピチャン



ううん。
他の物もたくさん映っている。
一騎くん。
カノン。
近藤くん。

みんなの姿が。
翔子も居る。
春日井くん。
咲良。
小楯くんも居る。

みんな
あたしを見ている。

島の人たち。
お母さん。
お姉ちゃん。
道生さん。

あっちには
お父さん。

全部鏡の向こうにあるみたい。
ここに居るあたしのほうが
閉じ込められているみたい。



バサ



なに?
上から・・・
光が・・・

火?
手のひらくらいの火が
燃えながら
降りてくる。

まぶしいくらいに
真っ赤で
綺麗な火。

何だろう?
火が・・・
霧の向こうに・・・

来いって言ってるの?






ザバーン



暗い海。
半分沈んだ船の上に居る。
真っ赤な
木で出来た
古い船。

火が
へさきに灯っている。

そうか。
ベイバロン。
もう動かない私の機体が
この船か。

暗い海を
壊れた船で
さまよっている。

これが私の心。
嫌な景色だ。
これを
真矢に見られるのか?



なんだ?
海の上に火が現れた。
あっちにも
赤い火の群れが・・・
どんどん増えていく。

あっちの火が
一つだけ近づいてくる。

暖かい。
まるで・・・
これは・・・
ぁ・・・いや・・・
そうだ。
私は知っている。

これは・・・
この火は・・・
道生・・・






霧が晴れてきた。

船。
すごい。
なんてたくさんの火。

ぁ、待って。






お・・・お前なのか?
道生。



ぇぃ。
よいしょっと。
ぁ・・・はぁ。
登れた。



ま・・・真矢・・・



あ、やっぱりカノンが居た。



まさか・・・
の・・・登ってきたのか?



うん。
あっちこっち穴が開いてたから
登れるかなぁと思って。



カノン?
どうしたの?



な、何でもない。



すごいたくさんの火。



綺麗。



ヤコブの火だ。



ぇ?



聖書に出てくる。
死者の魂が火となって
夜の海で迷う者を導く。



亡くなった人たちの火。
お盆祭りの灯篭みたい。

ぁ!
火が海のほうへ行っちゃう。
あの火があたしをここに連れてきてくれたの。
あれって・・・
誰かの・・・魂なんだ。



翔子・・・



ぇ?



不思議だ。
なぜかあれが翔子だとわかる。
わたしにとって
会ったことも無い相手なのに。

翔子がお前をここに導いてくれた。



翔子・・・



あの・・・



行くのか?
道生。



道生・・・さん?



海のほうへ
他の火と一緒に・・・
あの一つ一つが
誰の火かわかるの?



あぁ。
全て。

あそこに衛が居る。
あれらは戦いで死んだ者たちだ。
あちらには滅びた故郷の人々。



あの・・・
船の先にある火は
誰の者なの?



母さんだ。

こんな荒れ果てた景色を
見られたくはなかった。



ううん。
カノンは
優しい。



ぇ?



ずっと覚えてるんだ。
亡くなった人たちの事。
だったら迷わずに居られる。



誰かが居なくなる事など
当然の日々だった。
だから・・・
平気だと思おうとしていた。

誰かが居なくなる事も
自分がそうなる事も
平気だと。

でも、みな生きていた。
心の中で
生きていた。



心・・・



あたしの海なんてね
いつも霧に包まれているの。

そして
水の向こうに
みんなが・・・



水の・・・
向こう・・・



ピチャン



あそこに
波の無い場所があるでしょ?
あたしが居る場所は
いつもそう。
平らで。



幸せそうだ。



ぇ?



皆、微笑んでいる。
あれが・・・
お前の心か?



うん。



霧に包まれているのは
あそこにある物を
守りたいからじゃないのか?



守る・・・
霧が・・・



私の国では
霧が人を迷わせるのは
そこにある物を守るためだ。
違う・・・のか?



ううん。

そう。
そうだ。
あたり前の事なのに
わかってたのに・・・



真矢。



カノン。
ありがとう。

フェストゥムに無くて
私たちにあるもの。
それがこれなの。

これを確かめたくて
あたしここに来たかったんだ。
あたしの心の中に。

0 件のコメント: