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2011年4月25日月曜日

狼と香辛料 3 1/3



狼と香辛料 3 1/3


狼と商才。






はぁ!
あれが港町パッツィオかや?



美味いものがいろいろとありそうじゃな!



おい。



はぁ?



お前
顔を隠さなくて大丈夫か?



ぬし
何が言いたい?!



何百年も村に居たのなら
人になったお前の言い伝えも残っているだろ?



ホロは時折美しい娘の姿で村に現れる。
歳の頃は常に十代の半ば。
流れるような髪の毛と狼の耳。
それに先の白い尻尾を有し
毛色は綺麗なこげ茶色。

その事を秘密にする代わりに
村の翌年の麦の豊作を約束する。



特徴が全部伝わってるじゃないか。



全てを見せたところで
まずはぬしのように疑る。
この耳と尻尾さえ見せねば気がつく訳が無い。



まぁそうだな。



気がつくまいよ。
わっちの事など忘れとるんじゃからな。



俺としてはそう願うばかりだな。



まぁ大丈夫じゃろ。






おぉ!
やはりこの街は期待通りじゃ!



確かに
美味そうなリンゴだな。



じゃろ?



ん?



実に美味そうじゃないか?



ん?
そうだな。



ん!



そう言えば知り合いが
リンゴの先物買いをしていたっけな。
財産の半分以上を賭けていた。
あれがどこのリンゴか知らないが
あいつの財産は今頃倍以上だ。
俺もやっておくんだった。



うむ。
それは残念じゃったな。



しかしまぁ
危険も大きいからな。
俺なら船舶にのるな。



せ・・・船舶?



難破すれば命も危ないが
うまくいけばこの上無く儲かる。
契約を交わした承認同士で金を出し合って
船を借りるんだが・・・



ぅわぁ~・・・



どうした?



ぁ・・・いや・・・



で船を借りるだろ。
そうすると出した金額で
つめる荷物の量が決まるんだが・・・



リンゴ・・・



ん?



リンゴ・・・食べたい・・・だが・・・



なんだ。
そうだったのか?

ん・・・

これでいいだけ買って来い。






無制限に買うか?
普通・・・



いいだけ買えと言ったのは
ぬしではないか?



遠慮の二文字も無いのか?
お前は。

自分の食い扶持はちゃんと稼げよ。



ぬし。



ぁ?



さっきはわざと・・・
気づかんふり・・・
してたじゃろ?



人の胸中が手に取るようにわかると言うのは
いい気分だね。



パチ



痛・・・



わっちのじゃ!



元は俺の金だろ!



わっちは賢狼ホロじゃ。
この程度の金などすぐじゃわ。



カプ



そいつは良かった。
あの銀貨で今夜の宿代と晩飯も
まかなう予定だったんだ!






よく食ったな。



リンゴは悪魔の実じゃ。
わっちをそそのかす甘い誘惑に満ちておる。



賢狼なら欲に打ち勝ったらどうだ?



食欲は多くを失うが
禁欲が何かを生み出すという事も無い。
うっぷぅ。






今日の取引相手はあそこだ。



はぁ?
確かに入り口は大きいが
建物だけ見れば
もっと大きいところがあった気がするが・・・



確かに。
あそこはこの街では3番目だ。
だが
実は遠い南の国に本拠地を持つ
大商会の支店でな。

まずよそ者と言う負の要素を克服するために
買取に高値をつけている。
そして何より・・・



他の支店や・・・



ん?



本店から様々な情報が入ってくるから・・・



ぁ!



じゃろ?
国境を越えて商売をしている分
貨幣相場の変動に対する耳も鋭いんじゃろうから。



そのとおり。
あのゼーレンとか言う若僧の話も
さりげなく聞いてみるつもりだ。
裏が取れるかもしれない。



ようこそ!
ミローネ商会へ!



3年ほど前
こちらで麦を買い取ってもらったんだが
今日は毛皮を買い取ってもらいたい。



えぇえぇ。
もちろん結構でございます。



本日はご利用
ありがとうございます。
クラフト・ローレンツ様でしたか。



ロレンスです。
覚えていてくださるとは光栄ですね。



いえいえ
失礼いたしました。
本日は毛皮の買取を御所望と伺いました。



いかにも。
うん。
全部で70枚ある。



おぉ!
これは良いテンの毛皮ですね。
今年はどの作物も豊富で
テンの入荷が少ないのです。



どこの農夫たちも
農作業で手一杯だっただろうからな。
だが
そんな中でこれほどの毛皮だ。



えぇ。
これが70枚でしたね。



いかにも。



では
以前にもお取引を頂いてますので
こちらでいかがでしょうか?



132か。
貨幣は?



トレニー銀貨で。



うん!
数年に一度。
いや、10年に一度か。
途中雨に降られたにも関わらず
全く失われていないツヤを見てもらいたい。



確かに良いツヤです。
毛並も良い。



これはなかなかお目にかかれない
粒ぞろいの毛皮でね。
私としては今後も
こちらと良い関係を築いていきたいと考えてる。



当商会といたしましても
全く同感でございます。
それでは今後の親交も含めまして
140ではいかがでしょうか?



うん。
それで・・・

ぁ?

ちょっと失礼。



えぇ。



わっちには相場がわからん。
どんなものなのじゃ?



上場だよ。



えへへ。



ふふふ。



それでは・・・

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