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2011年7月15日金曜日

狼と香辛料II 1 2/3



狼と香辛料II 1 2/3






ぅん。
フェルミ・アマーティーです。
商売上はアマーティーで通っています。



クラフト・ロレンスです。
同じくロレンスと呼ばれています。
こちらは旅の連れのホロ。
訳あって共に旅をしておりますが
夫婦ではありません。



ぁ・・・



わっちの顔に
何かついておりますか?



ぇ・・・
いいえ・・・

ぁ・・・
ホロさんは・・・



遍歴の修道女です。
一応・・・



それでは多少の困難は
神様からの試練ということですね。
さすがに2部屋都合するのは
難しいですから。



ぇ?
と言うと?



取引先の宿屋に頼めば
一部屋くらいは都合つけてもらえるはずです。



よろしいのですか?



はい。
いくつかの取引先で
たっぷりと美味しい魚を召し上がっていただければ。



お若く見えるのに商売がお上手だ。
よろしくお願いします。



お任せください。






ん?
ふふふ。



お待たせしました。



ぁ・・・

あ・・・



広くていい部屋です。
紹介していただいて感謝します。



ぁ!
気に入って頂けましたか?



それはもう!
アマーティーさんに出会えて
もう本当に良かった。



ぇ・・・
いえ・・・
ぁ・・・
あの・・・
ホロさんは本当に清楚で素敵な方です。



うふふふふ。






はぁふ。
はぐ。



お前、落差ありすぎだぞ。



時と場所をわきまえただけじゃ。
酒も魚も実に美味い。
あの若僧
なかなかの目利きじゃなぁ。



あの若さでなぁ。
扱っている量も並じゃなかった。



それに引き換え
ぬしの積んでおった荷
あれは何じゃ?



ん?
釘だが。



釘ぐらいわかりんす。
もっとぱっとした物を取り扱えという事じゃ。
リュビンハイゲンで失敗したのが
よっぽど堪えたのかや?



ま、荷は地味だが
それなりに利益は出るはずだ。
それにぱっとしない物ばかりを
乗せている訳じゃない。

俺の荷馬車には
お前も居るだろ?

ふ。
ん?

あれ?



くくく・・・
さっき別の酒を頼んだじゃろうが。
ま、ぬしではその程度じゃな。



お前・・・
もう少し俺に気を使っても
罰は当たらないだろ!



雄はやさしくすると
すぐ図にのりんす。
味をしめて繰り返しそんな台詞を聞かされては
たまらぬ!



な・・・わかった。
なら俺も今後・・・



たわけ!



な・・・



雄は優しくてなんぼじゃ。



むぅ・・・



それにわっちが
しゅんとしておれば
ぬしは優しくしたくなろう?
はむ。



はぁ・・・



随分と色の薄い葡萄酒じゃな。
くんくん。



燃える葡萄酒と呼ばれているやつだ。



くっくっくっ・・・



ぁ・・・
おい・・・
そんな一気に・・・



かぁ!
ふぅ!



ほら見ろ!
だから・・・



懐かしい味じゃぁ。



ぇ?



ふぁ~。
はぁ。
ヨイツの酒に似ておる。
あの頃はよく飲んだものじゃ。
ふは。
懐かしいのぉ。
みんなどうしとるか?

ヨイツに着くのが楽しみじゃぁ。
くっくっくっ
かぁ!






まだいけるわいなぁ。
はぁふぅ・・・



ったく・・・



やはりヨイツの酒は最高じゃ!






そんで?
そのヨイツって村
どうなっちゃったの?






ガチャ



はぁ。
お馴染みの顔だな。

水と
万が一の為に桶を持ってきてやったぞ。
それと
ラッドラ祭なんだが・・・



・・・



ふぅ。
明日から本番だから
慌てることは無い。
ま、とにかくおとなしく寝てろ。

ちょっと商売仲間の所に行って来る。



キィ



ふぅ。

ぁ?

ふ。



パタン






マルク!



ぁ?
あっは。




スパイデミル
マルデンチ



はは。
ピレージ。



マオ。



マオ。



マオ。



商談中に邪魔したようだな。



いや
ピトラの山の神様のありがたさを
熱心に説かれていたところだ。

助かったよ。



異国の言葉に通じているのも
よしあしだな。



あぁ。
散々話して稼ぎに結びつかないと
アデーレにどやされる。

でお前は商売の話を
持ってきてくれたんだろうな?



あぁ。
もちろんだ。
リュビンハイゲンから釘を持ってきた。



釘?
おいおい
うちは麦の商店だぞ。



だが北からの客も多いだろ?
大雪の時の家の補修に
釘は必需品だ。



ふ~ん。
売れなくは無いだろうが・・・
いくらだ?



3パテの長さが120本
4パテが200本
5パテも200本
質のよさはリュビンハイゲンの
鍛冶屋組合のおりがみつき。



ふぅん。
10リュミオーネ半でどうだ?



安すぎるな。



武具の暴落の話を聞いていないのか?



ん?



今年は例年の北への大遠征が中止になってな
剣や鎧が投げ売られて
鋳潰される鉄が増えた。
そうなれば釘の相場も下がる。
10リュミオーネだって高いくらいだ。



それはもう少し南のほうの話だろ?



ぁ?



確かに釘の材料は増えたかもしれんが
この冬場に鉄を溶かして釘にしたら
薪が足りなくなって値上がりを招く。
そんな事で街中から罵声を浴びたい奴なんか
居ないから釘の値段も変わらないはずだ。



あぁ、まったく。
麦商人に釘なんか売りに来るなよ。

麦なら安く買い叩く方便はあるが
釘なんて専門外だ。



じゃぁ16リュミオーネでどうだ?



高い。
13リュミオーネ。



15。



14と3/4。



OK。
それで頼む。



ははは。
さすがだ兄弟。



ぁ・・・



で現金払いか?
それとも貸しか?



貸しで頼む。



助かるよ。
この時期は現金払いが多くてな
貨幣不足はいかんともしがたい。



ラント!



はい。
旦那様。



お前
弟子を取ったのか?



店の一つも構えれば自然とな。

この箱全部うちの荷馬車に全部積み替えとけ。
後でハンスの所へ売りに行く。



ぇ?
あの鉄細工を作る方にですか?



いいからとっとと運べ。



ぁ・・・
は、はい!



祭りが終わるまでは居るんだろ?
1回くらいうちに飲みに来いよ。
アデーレも紹介したい。



ぁ・・・
あぁ、そうだな。



どうした?
俺の店に見とれちまったのか?



あぁ。
いい店だ。



よせよせ
行商人としてはお前のほうが
断然上だった。
もっと凄い店を構える日も近いんじゃないのか?

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