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2011年8月9日火曜日

狼と香辛料II 4 1/3



狼と香辛料II 4 1/3


狼と浅知恵の末路。






そぉれ!

ははははは。






嫌じゃ・・・
もう一人は嫌じゃ・・・



ホロ・・・



そうじゃ思い出した。
わっちを愛する者が居るではないか。






とどのつまりじゃ。
あれは器に小さい商人でしか無かったという事じゃ。



そうですね。



ぬしはわっちの何じゃ?
いや
わっちはぬしの何じゃ?



ホロさんのような美しい女性の悲しみを
包み込んで癒してあげられないようでは
男として失格です。



ぬし様はやつと違って
何があってもわっちを守ってくれるんじゃろ?



もちろんです。
たとえ財産の全てを取り上げられようとも
私にはホロさんへの愛がある。
クラフト・ロレンスなどただの腰抜けです。



ぬし様・・・






馬鹿な!






ったく
言わんこっちゃない。
あれだけ自信満々だったやつが
なんてざまだ。



不測の事態が起きた。
まったくの想定外だ。



油断した
と言え。



ぇ?



正直にな。



そのとおりだ。



それで
何の相談だ?
金の無心ならお断りだぞ。



風向きが知りたい。



ん?



帆を張って船出しようにも
この町の今日明日の風向きは
よそ者の俺には読みきれん。



あきらめろ。



な・・・



勢いのついた馬を止められる者が居ないように
値段の上昇は早々止まらない。
売り待ちの木札に対して
買い待ちのほうは増える一方だ。
今日明日で値下がりするなんて気配は微塵も無い。

全知全能の神でも無けりゃ
風向きを変えるのは無理だ。



だったら神の真似をするまでだ。



ん?



予想がつくような値下がりじゃ
アマーティーが巻き込まれるとは思わえないしな。



お前
暴落を仕掛ける気か?



それしか無いだろ?



ぁ?



とにかく明日の日没までに
あいつが買いこんだ黄鉄鉱を
ただの石ころにしなきゃならないんだ。






あいつが読みを誤るような仕掛け・・・
暴落を起こすための仕掛け・・・
そんなものがあるのか?






わはははは!



見ろこれを。
ぉぉぉぉ・・・



これは気合を入れましたなぁ。



麦の行商から鞍替えか?



噂じゃぁ明日には倍になるらしい。



おい
本当か?



まず間違いない。
祭りだからと帆をたたんでいては
絶好の船出の機会を逃しますぞぉ。



こりゃぁ真面目に麦の買い付けなんぞ
している場合じゃ無いなぁ。



ははははは。






ん?



ぁ・・・



ぁ!



ぁ・・・



ぁ!



ん・・・

ん!



ぁ・・・
ロレンス様。



手紙?



つい今しがたでございますが
1通はお連れ様のご依頼で
私が代筆いたしました。



ぇ?



現金銀貨200枚
手持ちの黄鉄鉱銀貨300枚分
処分可能な財産、銀貨200枚分

これは!
アマーティーの財産!

これは・・・

これはアマーティーの字
ホロのやつ
またとんでもない契約を結ばせたんじゃ・・・

Holo

な!

ぁ・・・



あぁ・・・



今預けてある現金を出してくれ!



あぁ・・・



一切だ!



2011年8月8日月曜日

狼と香辛料II 3 感想



狼と香辛料II 3 感想



ホロさんからその身に降りかかった
苦難と処遇についてお聞きしました。
私はその身分と財産により
彼女の自由の羽を取り戻し
結婚を申し込みたいのです。

血判とナイフ
本気ですね。
借金が無くなったからと言って
ホロが旅の同伴をやめるとは限りませんが。



ホロに夢中になったアマーティー
しかし・・・
人の心はお金で買えるのだろうか?

確かにお金が無いと不幸・・・という側面もあるが
今のホロにもロレンスにも
二人が別れる理由が無い。
そして・・・
ホロの目的はヨイツへ帰ること。
アマーティーにそれができるだろうか?



アマーティーさん
金の調達にあてがあっての事だと思いますよ。

もっとも
あまり関心できる方法では無いようですが。
ロレンスさんだけ肩入れするのも
アマーティーさんに気の毒ですから
詳しい内容は言いません。
ただ早めにお耳には入れておきたかった。

なぜです?

どんな理由であれ
共に旅をしてくれる相手がいるのは
嬉しい事ですからねぇ。
それを奪われるのは
あまりに辛い。



バトスさんの言葉。
共に旅をしてくれる者が居ることは嬉しい事であり
それを奪われるのは辛い。

経験者ならではの重みのある言葉ですね。
おそらくバトスさんはそういう経験があるのでしょう。



この場でいくら恥を受けようとも
そんな契約は受け入れる事が出来ぬ。
どうじゃ?

確かにそれは男らしい事かもしれない。
だがそれが大人かどうかは別だ。

まぁ確かに言われたら嬉しいが
向こう見ずな若さに溢れすぎじゃな。
げっぷが出そうじゃ。

そう考えると良き雄である事と
よき大人であることは
相容れぬのかもしれぬ。

良き雄は子供じみておるし
良き大人は腑抜けておる。



若さゆえの過ち・・・
という言葉もあるし
結婚なども若いからこそ出来るのだろう
なんて思ってしまいます。

若い頃よいと思った相手
実らなかった恋もあるが
今思えば縁の無かったものはそれなりに仕方が無い。
もしくは選ばなくて正解。

でも今の結果が良かったのかと言えば・・・
微妙ですね。
まぁ分相応って事で・・・



宿に閉じ込めておいたら
本当に俺が借金で縛りつけてるみたいじゃないか。

とロレンス氏はおっしゃっていますが
事の真相は?

真相も何も
わっちは莫大な借金で縛られていんす。
この鎖はあまりに重く
逃げる事など出来るはずもない。

もしぬし様がはずしてくれるのなら
わっちは喜んで麦の粉で白くなりんす。

あっはははは。
アマーティーが参る訳だ。
縛られているのはロレンスのほうだな。



マルクは店を構え、女房をめとり
それなりの責任もある。
それを考えれば年齢とは別に
マルクのほうが大人だと感じますね。



で実際はどうなんだ?

答えがあっても容易に口にはできぬのが
世の中でありんす。

ぅ!

例えば
あの麦粉の純度とかな。

ぁ!
あのあのあの・・・

もしもわっちの借金が返済されたらどうするか
聞いてみたいじゃろ?

い・・・いや
滅相も無い。




年齢不詳の人を超えた存在であるホロ
当然といえば当然ですが
マルクはホロの言い返し方にたじたじ。

まぁこれを思えば両替商のワイズのように
遊びを知って居ればこその付き合いにもなるのでしょう。



自分の力だけで立ち向かってくるだろう。

まるで勇敢な騎士じゃな。

そうだな。

だからこそ魅力的な修道女に
のぼせちまったんだろうな。
町の女は俺たち同様
周りの評判を気にするし
横のつながりからはみ出たものには冷たい。
そんなのには耐えられなさそうだ。



横のつながりを大切にする社会では
そのつながりが切れた場に入るのは
かなりの苦労。
それを知れば知るほど人付き合いも難しくなるが
逆にそれを利用しての生き方もある。

アマーティーのように自分の力だけで・・・
というタイプでは
その伴侶になる人も同じタイプでないと
難しいか
それともアマーティーのほうが歩み寄らないと厳しい。
彼は今後どうするのだろうか?
気になります。



わっちに隠すことが他にあるのかや?

実は昨日
北のほうの伝説に詳しい人に
ヨイツの事を聞きに行ったんだ。
それがたまたま女性だった。

それなりに有益な情報が手に入った。
お前の話なんかも聞けて。

わっちの?!

あぁ。
レノスって町に言い伝えが残っていたんだ。

麦束尻尾のホロウと名づけ・・・

お前の事だろ?

わからぬが・・・

町の言い伝えにお前がどの方角から来たのかも
載っていた。




ロレンスはホロにまだ大切なことを隠している。
ロレンスは幼い日の昔話で
ヨイツは月を狩る熊に滅ぼされた
その話を聞かされて育ったらしい。
(台詞には出てきませんが断片的に幼い少年の姿の場面が・・・)



ぬしよ・・・
どうしよう・・・
わっちの帰る場所は
もうありんせん。



宿へ帰ればリアナさんからの手紙を読んだホロ。
そして故郷は滅ぼされたと知る。



あくまでも昔話だ。
誤った言い伝えも多い。

誤った・・・

あぁ。
支配者が変わった土地では
そういった昔話が
でっち上げられることもある。



ロレンス、完全に後手になりましたね。
しかし昔話にある地名。
その場所を探す旅。

ホロという存在があるからこそ
その地はかつてあったのだろうが
ホロが居なければロレンスは
御伽噺としか思わなかったでしょう。

しかし滅ぼされた。
ホロにどう伝えればよいか・・・
しかも非常にタイミングが悪く知らされる。

時代が時代だから
ヨイツの森は残っていると思うが・・・

でも、鉱山などで地形が変わっている
という可能性も・・・
現在だと自分が遊んだ山や川
全てが無くなっていた
なんて事も普通にあるのでどうなのだろうか?
今後というよりホロは無事帰れるのか非常に気になります。




そうじゃ
思い出した。
わっちを愛する者が居るではないか。
ぬしが慌てておらぬのも
銀貨1000枚ならば惜しくはないと
思っておるからじゃろ?

どうじゃ?!
何とか言ってみよ!



降って沸いたアマーティーの話。
さて2期は始まったばかりだから
ロレンスとホロの旅は続くのだろうけど
アマーティーとの話はどうなるのか?
ホロはこれからどうするのか?
非常に気になります。




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2011年8月5日金曜日

狼と香辛料II 3 3/3



狼と香辛料II 3 3/3






町の女たちは今
こいつに夢中だからな。
女たちは懐が暖かい
商人や農民たちに
この奇跡の石をどれだけ買わせるかを
競い始めた。

女が甘い声を出すたびに
値段が上がっていくという按配だ。



これが・・・
こんな大きな商売になるなんて・・・



仕入れに対して儲けが何割り増し
なんて次元じゃない。
何倍、何十倍の話だ。

アマーティーはすさまじく
荒稼ぎしてるって話だぞ。



なんて事だ・・・



つい数時間前始めた俺でさえ
もう300イレード儲けている。
これをみすみす逃す手は無いってもんだ。



この事はどれくらい広まっている?



朝には市場に知れ渡っていたようだ。
お前がお姫様と踊っていた頃には
一商人の露天の前には
えらい騒ぎだったぜ。



俺は・・・
商人失格だ。



いや
まだいけるさ。



ぁ・・・



転売目当ての商人たちが買いに走って
値段はうなぎ上りだ。

それに・・・
万が一の場合
新しい姫を買う金も要るだろ?



じゃぁとりあえず釘の売掛代金で
その黄鉄鉱をいくらか買わせてもらうかな。



ところでお前
お姫様のほうは本当に大丈夫なのか?
アマーティーはほぼ確実に
借金を肩代わりしちまうぞ。



心配は無用だ。
その金を元に
俺はもう一儲けする。

そして晴れて自由の身になったお姫様に
選ばれてまた一緒に旅を続けるのさ。



たいした自信だな。



当然だろ。






お前・・・
字が・・・



ぬしよ・・・
どうしよう・・・
わっちの帰る場所は
もうありんせん。

ぁ・・・
どうしよう・・・



キィ
バタン



ぁ・・・



あくまでも昔話だ。
誤った言い伝えも多い。



誤った・・・



あぁ。
支配者が変わった土地では
そういった昔話が
でっち上げられることもある。



ならば
なぜぬしはそれを
わっちに黙っておった?



これは・・・
繊細すぎる話題だ。
頃合を見て言おうと思っていたんだが
つい・・・



ふふふ
そんな事も知らずに
呑気に・・・
浮かれておったわっちの様子は
さぞ面白かっただろう。



ホロ!



なんじゃ!



落ち着いてくれ。



おち・・・
落ち着いておる。
こんなにも頭がめぐっておるんじゃからな。

ぬし
ヨイツの事を前から知っておったな?



ぁ・・・



さろうな。
そうじゃろうな。

ぬしはわっちと出会ったときから
それを知っておった!
そうであればいろいろ説明がつく。



ホロ・・・



ぬしは・・・
ははは
哀れでか弱い子羊が好きじゃからな。

何にも知らずとっくに滅びた故郷に
帰りたいなどと言っておった
わっちはどうじゃった?

間抜けで可愛かったじゃろ?
哀れで愛しかったじゃろ。
だから我侭も許して
優しくしてくれたのじゃろ?!

ニョッヒラから勝手に帰れと言ったのは
もういい加減飽きたからなのかや?



ぁ・・・



ホロ!



ぅ・・・
わっちは一人になってしまった。
わっちの帰りを待ってくれる者は
何処にもおらぬ。
わっちは本当に一人になってしまった。



俺が居るだろ?



ぬしはわっちの何じゃ?

いや
わっちはぬしの何じゃ?



ぇ・・・
ぁ・・・



ぁ・・・



ぁ・・・

やじゃ。



ホロ・・・



一人は嫌じゃ。
なぁぬしよ。
わっちを抱いてくりゃれ?



ホロ・・・



わっちはもう一人じゃ。
じゃが子ができれば二人じゃ。
今のわっちはほれ
人の形をなしておる。
なぁぬしよ!



しゃべるな!



ははははは。
そうじゃな。
ぬしはそういう男じゃもな。
はなから期待などしておらぬ!

そうじゃ
思い出した。
わっちを愛する者が居るではないか。
ぬしが慌てておらぬのも
銀貨1000枚ならば惜しくはないと
思っておるからじゃろ?

どうじゃ?!
何とか言ってみよ!



すまぬ・・・

2011年8月2日火曜日

狼と香辛料II 3 2/3



狼と香辛料II 3 2/3






自分の力だけで立ち向かってくるだろう。



まるで勇敢な騎士じゃな。



そうだな。



だからこそ魅力的な修道女に
のぼせちまったんだろうな。
町の女は俺たち同様
周りの評判を気にするし
横のつながりからはみ出たものには
冷たい。

そんなのには耐えられなさそうだ。



立派だよ。
だが俺は商人だ。
横のつながりを使うことに
何のためらいも無い。



ぁ?



騎士にとっては陰険だろうが
商人同士の戦いに
泣き言は存在しないからな。

とりあえず情報収集を続けてくれるか?
バトスさんはアマーティーの資金源に
心当たりがありそうだから。



契約に勝てば
これ以上やきもきせずにすむしな。



それに上手くやれば
アマーティーの金儲けに便乗できるかもしれない。






はぁ~・・・
今羊飼いの音がしなかったかや?



したなぁ。
普通町では吹かないんだが。



プー



羊飼いの娘が追ってきたらどうするかや?



別に。
奇遇ですね
と挨拶するだけさ。



むぅ。
ぬしが動揺せぬと
わっちが
ぬしの気を引いておるみたいじゃないかや?



それは恭悦至極だな。

恭悦過ぎて後が怖い。



ん?



そうか。
さっきのは祭りが始まる合図か。



ん?



では参るかや?
食べてばかりではつまらぬ。






はぁ・・・
ううん・・・
見えぬ・・・



ぁ・・・



来い!



ぁ!



あぁ・・・



おぉ!



ここは特等席じゃな。



この点はアマーティーに感謝だな。



何とも盟友じゃな。
じゃがこの雰囲気は悪くない。

ぁ?






わはははははは。



そぉれ!

やぁ!






わっちらも行こう!



ぇ?
ぁ・・・

よし!



わっちの足を踏まぬよう
注意するだけで良い。



努力する。






次は何じゃ?



次はベットだよ。
もう少しだ。



ベット
優しくしてくりゃれ。



馬鹿。



あ、あぁ!



くぅ・・・



バタン



あぁ!

はぁ。



コンコンコン



ぁ!



失礼。
お手紙が1通と
マルク様からのご伝言がございます。



マルクから?

明日でいいか。

い・・・いや
やっぱり。



ぅん・・・



あぁ・・・
起こしてすまん。
またちょっとマルクの所に行ってくる。



雌の匂いがする手紙を胸に忍ばせて?



ぁ・・・ぇ・・・
いや・・・
これはその・・・



わっちに隠すことが他にあるのかや?



実は昨日
北のほうの伝説に詳しい人に
ヨイツの事を聞きに行ったんだ。
それがたまたま女性だった。



それで?



それなりに有益な情報が手に入った。
お前の話なんかも聞けて。



わっちの?!



ぁ・・・
あぁ。
レノスって町に言い伝えが残っていたんだ。






麦束尻尾のホロウと名づけ・・・






お前の事だろ?



わからぬが・・・



町の言い伝えにお前がどの方角から来たのかも
載っていた。



ぁ・・・



それは本当かや?



ぁ・・・あぁ・・・

レノスという町の東の森から
来たらしい。
ニョッヒラから南西
かつレノスから東に行った山にあるところが
ヨイツだそうだ。



隠しておいて
わっちを驚かせようとしたのかや?



ぇ・・・



早く教えて欲しかった。



ぁ・・・

すまん。
ニョッヒラから南西ってだけじゃ
正直厳しかったが
かなり狭まった。
この手書きは追加の情報だろう。
この分なら思ったより楽に着けそうだ。



ぅん。






ニョッヒラからならお前一人で帰れないか?






ぅん。
たとえ半年かかったとしても
二人で頑張って探そう。



ぁ・・・



じゃぁ改めて
ちょっとマルクの所へ行ってくる。



雌の匂いのする手紙を胸に忍ばせて?






人にものを頼んでおいて
いいご身分だよなぁ。



ぁ・・・



え、ロレンス?
ま、祭りの間は結構暇だし
お前のおかげで儲けさせてもらってるからな。



な・・・
便乗したのか?
どんな方法だ?



濡れ手で泡のぼろ儲けさ。
バトスさんが見当をつけているって所から
調べたらすぐわかった。



宝石売買か。



近いが違う。
扱っているのはおよそ宝石とは呼べない代物だ。



黄鉄鉱?



なんだい。
もう耳にしてるのか?



占い師がらみだろ?



あぁ。
だがそいつはもうこの町には居ない。
占いの腕が良すぎて
異端審問官に目をつけられたんだとさ。



教会なんか来たら
この町は大騒ぎだろ?



そこだ。
それに黄鉄鉱の輸出量が多すぎる。
どっかの町で買い付けて売りさばけたから
とっとと消えたんだろう。

占い師のあおり文句に
教会ではくがついて
こいつのありがたみも急上昇だ。

今いくらすると思う?



そうだな・・・
思い切って100?



270。



ぁ!
まさか・・・



馬鹿げた値段だが
明日市場が開けたらもっと上がるだろう。



それにしたってこれが・・・
270?



屑にしかならない形の物でも
何がしかの効用があるとか理由をつけて
高値で売っている。

2011年8月1日月曜日

狼と香辛料II 3 1/3



狼と香辛料II 3 1/3


狼と埋まらない溝。






もう一人の主役がご到着だ!

勇敢なる少年に拍手!



改めて宣言します。
私は遍歴の修道女の
細い肩にかかる借金を弁済し
その身を自由に出来たあかつきには
ローエン商業組合を天より見守ってくださる
聖人ランバルド氏に誓って
遍歴の修道女ホロに
誠実な愛を申し込みます!



おぉ!



ホロさんからその身に降りかかった
苦難と処遇についてお聞きしました。
私はその身分と財産により
彼女の自由の羽を取り戻し
結婚を申し込みたいのです。



おぉ!



血判とナイフ
本気ですね。
借金が無くなったからと言って
ホロが旅の同伴をやめるとは限りませんが。



やめてくれる自信はあります。



それにホロはまがりなりにも
修道女です。
結婚は・・・



しかしホロさんは
どこの修道会にも属していない。



な・・・



旅の便宜上
名乗って居るだけの修道女であれば
聖職者に課せられる結婚の禁止には
拘束されませんよね?



よく調べましたね。



クメルスンの都市法では
女性が借金を背負っている場合
その後見人は貸主となっています。

ロレンスさんが私の求婚を
無条件に認めてくだされば
このような誓約書は持ち出さずに済みますが
ロレンスさん。
契約のナイフ
受け取っていただけますよね?



いいぞロレンス!

男の恥だぞ!



契約書を拝見したい。

トレニー銀貨で千枚?



おぉ!



ホロさんがあなたに背負わされた金額を
明日の夕方までに返済してみせます。



おぉ!



この履行期限に間違いないですね?



はい。
トレニー銀貨千枚を現金で。



値切りや分割交渉には
一切応じませんよ。



結構です。



わかりました。



では契約成立ですね。



おぉ!



それでは明日
またこの場所で。



おぉ!



ご心配なく。
借金を肩代わりしてもらったくらいでは
私の連れはなびきませんから。



よぉし!
ロレンス側に・・・

アマーティーが4だ!

ロレンスに5エードだ!

俺もお前に10エードだ!



はぁ・・・

ぁ・・・

バトスさん・・・



厄介な事に巻き込まれましたね。



ぁ・・・
まったくです。



アマーティーさん
金の調達にあてがあっての事だと思いますよ。



ぁ・・・



もっとも
あまり関心できる方法では無いようですが。
ロレンスさんだけ肩入れするのも
アマーティーさんに気の毒ですから
詳しい内容は言いません。
ただ早めにお耳には入れておきたかった。



なぜです?



どんな理由であれ
共に旅をしてくれる相手がいるのは
嬉しい事ですからねぇ。
それを奪われるのは
あまりに辛い。






それで
もしあの坊やが銀貨千枚を渡したら
どうするんじゃ?



お前が使い込んだ金額を清算したら
残りはお前にやるよ。



わっちを試すでない。



ふぅ。
もしアマーティーが契約を完遂したら
俺も約束を守る。



ほぉ?
凄い自信じゃなぁ。



自信じゃない。
俺はお前を信じているだけだ。



まったく
おろおろしとったほうが
まだ可愛げがある。



自分でも大分成長を実感したよ。



ふん。
落ち着いて振舞うだけで
大人かや?



違うか?



勝てる博打かどうかを見極め
有利と踏んだからこその余裕など
単なる小ざかしさとしか言えぬ。



商人としての才能と言ってくれ。



アマーティーとの契約を断るのも
また立派な選択だったのではないかや?



それは・・・



どうせぬしは
周りを見て恥か否かを判断したんじゃろ?



ぅ・・・



仮に逆の立場になったら・・・
と考えてみよ。



逆?



ぉ・・・



わっちはロレンスといつまでも一緒に居たい。
たとえ借金と言えども
それはわっちとロレンスをつなぐ
絆の一つ。

それが切れることなど
わっちにはとても耐えられぬ。
この場でいくら恥を受けようとも
そんな契約は受け入れる事が出来ぬ。

どうじゃ?



た・・・
確かにそれは男らしい事かもしれない。
だがそれが大人かどうかは別だ。



うふ。
まぁ確かに
言われたら嬉しいが
向こう見ずな若さに溢れすぎじゃな。
げっぷが出そうじゃ。

ぅぇ。

そう考えると良き雄である事と
よき大人であることは
相容れぬのかもしれぬ。

良き雄は子供じみておるし
良き大人は腑抜けておる。



ならば良き女であり
よき大人であられる
賢狼ホロ様はどう対処するんだ?



ふ。
笑って受けるに決まっておろう。

そして契約を受けて宿に帰ったらの
こう膝まづくんじゃ。



ぁ・・・



勝てる博打だと踏んで契約を結びはしたろうが
きっと水面下で様々な動きをして万全を期すに違いない。
裏工作もふんだんにしての。



祭りに連れてけって事か。



契約のためには賄賂も辞さぬ商人さまじゃろ?






大丈夫なのか?
くだんの美女を連れてきて。



宿に閉じ込めておいたら
本当に俺が借金で縛りつけてるみたいじゃないか。




ロレンス氏はおっしゃっていますが
事の真相は?



真相も何も
わっちは莫大な借金で縛られていんす。
この鎖はあまりに重く
逃げる事など出来るはずもない。



ん?



もしぬし様がはずしてくれるのなら
わっちは喜んで麦の粉で白くなりんす。



はぁ・・・

あっはははは。
アマーティーが参る訳だ。
縛られているのはロレンスのほうだな。



旦那様!



ん?



はぁはぁ。



おぉご苦労。



くっくっくっ
ぷはぁ。




どうだった?



はい。
えっと課税台帳には
200イレードの課税があったそうです。



そうすると町の参事会が把握している
アマーティーの財産は
トレニー銀貨で800枚くらいだな。



この町の賭場は?



カードにサイコロ
後は兎追いくらいだな。
掛け金の上限も決まっている。



ふぅ。



博打と言えば
アマーティーが勝つという前提で
更にその先勝負がどうなるかという
賭けもあるようだ。



なるほど。



今の所お前が有利だが
倍率は1.2
接線だぞ。



胴元に分け前を請求しないとな。



で実際はどうなんだ?



答えがあっても容易に口にはできぬのが
世の中でありんす。



ぅ!



例えば
あの麦粉の純度とかな。



ぁ!

あのあのあの・・・



もしもわっちの借金が返済されたらどうするか
聞いてみたいじゃろ?



い・・・いや
滅相も無い。



しかしこうなると
直接相手の行動を監視するしか無いな。



陰険じゃな。



水面下の戦いと言ってくれ。
どうせ向こうもこっちの行動を
逐一誰かに監視させてるはずだ。



いや
それはどうかな?



ぁ?



アマーティーは元々
金持ちの三男坊だったらしい。
それが家出してこんな辺境の町に来て
一人で立派に稼いでいるだけに
我が強い。

俺たちのように裏で横のつながりを
利用としようとするのは
卑怯だと思ってるくらいだ。