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2011年8月1日月曜日

狼と香辛料II 3 1/3



狼と香辛料II 3 1/3


狼と埋まらない溝。






もう一人の主役がご到着だ!

勇敢なる少年に拍手!



改めて宣言します。
私は遍歴の修道女の
細い肩にかかる借金を弁済し
その身を自由に出来たあかつきには
ローエン商業組合を天より見守ってくださる
聖人ランバルド氏に誓って
遍歴の修道女ホロに
誠実な愛を申し込みます!



おぉ!



ホロさんからその身に降りかかった
苦難と処遇についてお聞きしました。
私はその身分と財産により
彼女の自由の羽を取り戻し
結婚を申し込みたいのです。



おぉ!



血判とナイフ
本気ですね。
借金が無くなったからと言って
ホロが旅の同伴をやめるとは限りませんが。



やめてくれる自信はあります。



それにホロはまがりなりにも
修道女です。
結婚は・・・



しかしホロさんは
どこの修道会にも属していない。



な・・・



旅の便宜上
名乗って居るだけの修道女であれば
聖職者に課せられる結婚の禁止には
拘束されませんよね?



よく調べましたね。



クメルスンの都市法では
女性が借金を背負っている場合
その後見人は貸主となっています。

ロレンスさんが私の求婚を
無条件に認めてくだされば
このような誓約書は持ち出さずに済みますが
ロレンスさん。
契約のナイフ
受け取っていただけますよね?



いいぞロレンス!

男の恥だぞ!



契約書を拝見したい。

トレニー銀貨で千枚?



おぉ!



ホロさんがあなたに背負わされた金額を
明日の夕方までに返済してみせます。



おぉ!



この履行期限に間違いないですね?



はい。
トレニー銀貨千枚を現金で。



値切りや分割交渉には
一切応じませんよ。



結構です。



わかりました。



では契約成立ですね。



おぉ!



それでは明日
またこの場所で。



おぉ!



ご心配なく。
借金を肩代わりしてもらったくらいでは
私の連れはなびきませんから。



よぉし!
ロレンス側に・・・

アマーティーが4だ!

ロレンスに5エードだ!

俺もお前に10エードだ!



はぁ・・・

ぁ・・・

バトスさん・・・



厄介な事に巻き込まれましたね。



ぁ・・・
まったくです。



アマーティーさん
金の調達にあてがあっての事だと思いますよ。



ぁ・・・



もっとも
あまり関心できる方法では無いようですが。
ロレンスさんだけ肩入れするのも
アマーティーさんに気の毒ですから
詳しい内容は言いません。
ただ早めにお耳には入れておきたかった。



なぜです?



どんな理由であれ
共に旅をしてくれる相手がいるのは
嬉しい事ですからねぇ。
それを奪われるのは
あまりに辛い。






それで
もしあの坊やが銀貨千枚を渡したら
どうするんじゃ?



お前が使い込んだ金額を清算したら
残りはお前にやるよ。



わっちを試すでない。



ふぅ。
もしアマーティーが契約を完遂したら
俺も約束を守る。



ほぉ?
凄い自信じゃなぁ。



自信じゃない。
俺はお前を信じているだけだ。



まったく
おろおろしとったほうが
まだ可愛げがある。



自分でも大分成長を実感したよ。



ふん。
落ち着いて振舞うだけで
大人かや?



違うか?



勝てる博打かどうかを見極め
有利と踏んだからこその余裕など
単なる小ざかしさとしか言えぬ。



商人としての才能と言ってくれ。



アマーティーとの契約を断るのも
また立派な選択だったのではないかや?



それは・・・



どうせぬしは
周りを見て恥か否かを判断したんじゃろ?



ぅ・・・



仮に逆の立場になったら・・・
と考えてみよ。



逆?



ぉ・・・



わっちはロレンスといつまでも一緒に居たい。
たとえ借金と言えども
それはわっちとロレンスをつなぐ
絆の一つ。

それが切れることなど
わっちにはとても耐えられぬ。
この場でいくら恥を受けようとも
そんな契約は受け入れる事が出来ぬ。

どうじゃ?



た・・・
確かにそれは男らしい事かもしれない。
だがそれが大人かどうかは別だ。



うふ。
まぁ確かに
言われたら嬉しいが
向こう見ずな若さに溢れすぎじゃな。
げっぷが出そうじゃ。

ぅぇ。

そう考えると良き雄である事と
よき大人であることは
相容れぬのかもしれぬ。

良き雄は子供じみておるし
良き大人は腑抜けておる。



ならば良き女であり
よき大人であられる
賢狼ホロ様はどう対処するんだ?



ふ。
笑って受けるに決まっておろう。

そして契約を受けて宿に帰ったらの
こう膝まづくんじゃ。



ぁ・・・



勝てる博打だと踏んで契約を結びはしたろうが
きっと水面下で様々な動きをして万全を期すに違いない。
裏工作もふんだんにしての。



祭りに連れてけって事か。



契約のためには賄賂も辞さぬ商人さまじゃろ?






大丈夫なのか?
くだんの美女を連れてきて。



宿に閉じ込めておいたら
本当に俺が借金で縛りつけてるみたいじゃないか。




ロレンス氏はおっしゃっていますが
事の真相は?



真相も何も
わっちは莫大な借金で縛られていんす。
この鎖はあまりに重く
逃げる事など出来るはずもない。



ん?



もしぬし様がはずしてくれるのなら
わっちは喜んで麦の粉で白くなりんす。



はぁ・・・

あっはははは。
アマーティーが参る訳だ。
縛られているのはロレンスのほうだな。



旦那様!



ん?



はぁはぁ。



おぉご苦労。



くっくっくっ
ぷはぁ。




どうだった?



はい。
えっと課税台帳には
200イレードの課税があったそうです。



そうすると町の参事会が把握している
アマーティーの財産は
トレニー銀貨で800枚くらいだな。



この町の賭場は?



カードにサイコロ
後は兎追いくらいだな。
掛け金の上限も決まっている。



ふぅ。



博打と言えば
アマーティーが勝つという前提で
更にその先勝負がどうなるかという
賭けもあるようだ。



なるほど。



今の所お前が有利だが
倍率は1.2
接線だぞ。



胴元に分け前を請求しないとな。



で実際はどうなんだ?



答えがあっても容易に口にはできぬのが
世の中でありんす。



ぅ!



例えば
あの麦粉の純度とかな。



ぁ!

あのあのあの・・・



もしもわっちの借金が返済されたらどうするか
聞いてみたいじゃろ?



い・・・いや
滅相も無い。



しかしこうなると
直接相手の行動を監視するしか無いな。



陰険じゃな。



水面下の戦いと言ってくれ。
どうせ向こうもこっちの行動を
逐一誰かに監視させてるはずだ。



いや
それはどうかな?



ぁ?



アマーティーは元々
金持ちの三男坊だったらしい。
それが家出してこんな辺境の町に来て
一人で立派に稼いでいるだけに
我が強い。

俺たちのように裏で横のつながりを
利用としようとするのは
卑怯だと思ってるくらいだ。

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